梁塵秘抄
2011年 12月 05日
「梁塵秘抄」とは、平安時代末期に編まれた歌謡集です。
今様(当時の現代流行歌謡)が集められており、編者は後白河法皇。
親心、恋心、信仰心、社会風刺、動物や虫のこと、などなど・・・
幅広い歌謡集です。
さらりと読んで意味が分かるなんてことは、この私には到底無理な話ですが、
面白い現代訳や、解説付きの読みやすい本も出ておりますので、
ぱらぱらと読んで、気に入った歌などを見つけるのも楽しいもの。
「遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動がるれ」
訳・・・
遊ぶために生まれて来たのだろうか。戯れるために生まれて来たのだろうか。
一心に遊んでいる子供の声を聴いていると、私の身体さえも動いてしまう。
情景が思い浮かぶようですね。
こんなに可愛らしい恋の歌もありますよ。
「恋ひ恋ひて 邂逅に逢ひて寝たる夜の夢は如何見る
さしさしきしとたくとこそみれ」
訳・・・
恋しくて恋しくて、その恋しい人とやっと逢えて抱き合ったその夜の夢は何を見よう。
互いの腕と腕を差し交わし、きしりと音がするほど抱きしめ合うそんな夢を見続けていたいよ。
和歌は不得手だったけれど、今様を愛好し歌いすぎで3度も喉をつぶしたという後白河法皇。
源氏と平氏を手玉にとり、天皇の中でも最大の実力者と言われているけれど、
こんな歌を集めていたと思えば、なんだかカワイイ人に思えてくるね。
by powerfulmoririn
| 2011-12-05 00:23
| 読む、観る