日日是好日

昭和31年生まれのエッセイスト 森下典子さん

彼女の言葉は、やんわりと心に染み入ってくる。
しかし、またある時は、胸がきゅ~と締め付けられるほどの衝撃で
私の生き方を問うてくる。

b0233838_8453594.jpg

「日日是好日」は、2002年の著書であるが、私が読んだのは1年前。
彼女が25年間続けてきた「茶道」と共に自らが成長してきた軌跡が、
素直な言葉で綴られている。

そもそも「日日是好日」と言う言葉を、私はどう理解していただろう。
「毎日がいい日である。」簡単に言えばそれで終わるが、
そんな一言ではすまされない、もっともっと深い言葉。

「日日是好日」とは、碧巖録(へきがんろく)に書かれた古僧、雲門の言葉である。
生きていると調子のいい日も悪い日も、嬉しい日も悲しい日もあるが、
すべての日を「いい日」だと思えるようになれと説いています。
でも、人間、悲しい日にいい日だとは思えない。
それでも「いい日」だと思うにはどうすればよいのか?
毎日がいい日、大切な日と思うには、毎日毎日をその日限りと思って生きること。
その一瞬を大切にして一所懸命生きることで、
その一日は何があろうとかけがえのない日になる。すなわち、好日と思える。
そんな意味なのではないでしょうか。

著者の言葉では、こう書かれています。
「私たちはいつでも、過去を悔やんだり、まだ来てもいない未来を思い悩んでいる。
どんなに悩んだところで、所詮、過ぎ去ってしまった日々に駆け戻ることも、
未来に先回りして準備することも決してできないのに。
過去や未来を思う限り、安心して生きることはできない。
道は一つしかない。今を味わうことだ。
過去も未来もなく、ただこの一瞬に没頭できた時、人間はさえぎるもののない
自由の中で生きていることに気付くのだ。」
まさにその通りですよね。

彼女はお茶の稽古を通して、「気付き」の一つひとつを描いていますが、
お茶を知らない人でも、その言葉の数々に、様々な思いを感じることでしょう。
この本についての感想は難しい・・・。
なので、著者の特に印象に残った言葉を感想の代わりに載せます。
間違いなく私の生き方を変えた一冊です。


「雨の日は、雨を聞く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを。
冬には、身の切れるような寒さを味わう。
・・・どんな日も、その日を存分に味わう。
そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、
その状況を楽しんで生きていけるかもしれないのだ。
私たちは、雨が降ると、今日はお天気が悪いわなどと言う。
けれど、本当は「悪い天気」なんて存在しない。
雨の日をこんな風に味わえるのならどんな日も「いい日」になるのだ。」

「目を覚ましなさい。人間はどんな日だって楽しむことができる。
そして、人間は、そのことに気付く絶好のチャンスの連続の中で生きている。」

「会いたいと思ったら、会わなければならない。
好きな人がいたら、好きだと言わなければならない。
花が咲いたら、祝おう。
恋をしたら、溺れよう。
嬉しかったら、分かち合おう。
幸せな時は、その幸せを抱きしめて、100%かみしめる。
それがたぶん、人間にできるあらん限りのことなのだ。」
[PR]
by powerfulmoririn | 2012-04-08 09:52 | 読む、観る